最近は各都道府県のWebサイトでもアクセシビリティなどといった言葉が見られるようになりましたが、そのHTMLはどうなっているのでしょうか?ちょっと気になったので、各都道府県のサイトをAnother HTML Lintで採点してみました。
結果を見る前に平均点を発表します。-15点, -12点, -12点, -5点,15点(小数点切り捨て)でした・・・。そんな中でも100点を出した県があります。100点だと良いという話ではありませんが、この県だけはまじめに取り組んでいるような、そんな気がしました。
2003年12月6日, 2004年1月4日, 2004年2月13日, 2004年3月13日, 2005年1月16日の結果です。更新されれば点数などは変わることがあります。時々結果は更新するつもりです。点数の更新時に各サイトの更新の有無は調べていません。
今回のチェックで福井県がXHTML 1.0 Strictを使用して100点になりました。さらに鹿児島も100点です。文法的には良いのですが・・・。
そして平均点がプラスになりました。点数を大幅に下げたサイトもいくつかありましたが、いくつかのサイトでW3Cのバナーが設置され意識して改善されているのだなと感じることができます。他の県にもがんばって頂きたいものです。
この時点で宮城県も100点となっています。このチェックを始めた頃はWYSIWYG(What You See Is What You Get)方式のエディタを使用して作成していたようですがきちんと書くようにしたのでしょうか。文書型はHTML 4.01 Loose、レイアウトはCSSによるものとなっています。もう一歩というところ。
ご覧のように、島根県だけが100点でした(2004年3月13日のチェックでは宮城県も100点です)。他のサイトは似たようなHTML、レイアウトが多く見られます。「アクセシビリティ」「ユニバーサルデザイン」等と書いているサイトも同じような結果でした。
また、WYSIWYG(What You See Is What You Get)方式のエディタを使用しているところもいくつかありましたね。この方式のエディタを使用するのは構わないのですが、HTMLに関する知識があまりない場合には使用するべきではないと思います。さらにアクセシビリティ、ユニバーサルデザインなどと言いながら全てをツールに頼るということはあっていいわけがなく、最後は自分で確認することが必要です。外注で作成されたとしても、見た目だけにこだわらないようにして欲しいものです。
いくつかのサイトで「アクセシビリティ、バリアフリー」「ユニバーサルデザイン」という言葉があり、サイト毎の指針のようなものがありましたが、どのようにすれば適切に指針に見合うサイトを作れるかというところまで、考えているのでしょうか。インターネットにおけるアクセシブルなウェブコンテンツの作成方法に関する指針を参考にしているところが多いと思いますが、この指針には具体的な方法までは示されていないので製作者次第で「表面上」だけのサイトになってしまうのです。
島根県はXHTML 1.0 Strictとスタイルシートを用いることによって、100点を取りました。Strictであることで視覚的な要素を排除し、スタイルシートによって構造とレイアウトを切り離すことができます。このことを理解していることは大きな「差」になりますね。このことで例え外注であってもなくても担当者の理解度が分かります。
また、他の県よりいくらか細かいガイドラインを独自で持っていること(ガイドラインの意味とそれを実現する方法を知っていること)、W3Cの技術を意識していることも他サイトと大きく異なります。
何度も言っている気がしますが、HTMLを理解しないでアクセシビリティ等と言えるのでしょうか??
最近よく耳にする言葉にUD(ユニバーサルデザイン、Universal Design)というものがあります。これはあらゆる人が物、環境などを利用できるように最初から考え、デザインすることを言います。
バリアフリーというものは、今ある障壁を取り除いて利用しやすくすることです。Webの場合は「アクセスしやすく」するわけですから、アクセシビリティとなります。
ユニバーサルデザインという言葉は建築家でもあり、工業デザイナーだった故ロナルド・メイス氏が名付けたもので、メイス氏自身も車椅子を利用する立場でした。
そのメイス氏がユニバーサルデザインに関する7原則というものを発表しているので、興味がある方はhttp://www.design.ncsu.edu:8120/cud/univ_design/princ_overview.htmで読むことができます。
なぜ、このような話をするのかというと、わたし自身の考えがまとまらないからです。ユニバーサルデザインという言葉を使用しているサイトがいくつかありましたが、この考えはWWWブラウザなどに表示されるものだけの話なのでしょうか。例えばパソコンなどの本体のことは考えなくてもいいのかということで悩んでいます。パソコン、もしくはWWWブラウザ等のソフトウェアのユニバーサルデザインについては必要ないのか、ということです。そこまで考える必要はないのかもしれませんが・・・。
いくつかの県のサイトでユニバーサルデザインという言葉を見て、その内容を読んできましたが、どこもアクセシビリティと混同しているようにしか思えませんしね。もう少し悩んでみます。この件についてみなさんの考えがありましたら、メールを送ってください。