みなさんもよくご存知の富士通では「富士通ウェブ・アクセシビリティ指針」というものを策定し、'アクセシビリティが高い'ことが重要と考えているようです
日本の大手企業がこういう取り組みを始めたということは喜ばしいですね。今までは無駄にFlashなどを使い、重い、アクセスしにくいサイトばかりでしたから...。
しかし、その指針というものがWAIのアクセシビリティガイドラインからいくつか項目を絞っただけのような気がするのですが、特に独自のものがないようならWAIのガイドラインでよかったのでは?と思ってしまいます。まぁ、「既存の基準、ガイドライン等との整合性を重視した」らしいのでそうなるのかもしれませんね。
指針などが書かれているhttp://jp.fujitsu.com/webaccessibility/のHTML文書をさらっと見てみましょう。
いや、もうなにも言いたくなくなるようなことになっていますね。テーブルだらけなのは予想できましたが、Body要素の属性が環境に依存しまくっていたり、Noscriptの中にLinkが入ってたり、サイズを絶対値で指定していたりとやりたい放題です。
「指針の使い方」を見てみると
と書いてあるのに自ら無視ですか...。
そもそもHTML 4.01のTransitionalであること自体が間違いのような気がします。Transitionalには見た目をコントロールする要素、属性が盛り込まれているのでそれらを使用しても問題はないのですが、アクセシビリティという点では不向きです。それらを使用しないようにすれば自然とStrictになるはずであり、Strictで書かれたHTML文書はある程度のアクセシビリティを確保できます。そこからさらにWAIのガイドラインなどを参考にしながらアクセシビリティを高めていけばいいでしょう。
また、HTMLのことをあまり理解していなくても、真剣にアクセシビリティということを考え、WAIのガイドラインを参考にしながらHTML文書を手直ししていけば、Strictに近いものに辿り着くはずです。
正確なHTMLとWAIのガイドラインは繋がっているとわたしは思います。このふたつのリンクが繋がって初めてアクセシブルなサイトということになるのではないでしょうか。
HTML文書は適当に作って見た目だけ指針とやらに準拠していれば良いということはあり得ません。
独自の指針を作り出したその取り組みは素晴らしいことです。しかし、中身が伴っていなければ評価はされませんし、指針とやらも意味がありません。富士通さんにはがんばって欲しいものです。いくらか期待していたのですけどね。
富士通のサイトからダウンロードできるツールの中にWebInspectorというものがあります。これは「富士通ウェブ・アクセシビリティ指針」をもとに、HTMLファイルのアクセシビリティを診断するもの、らしいですが...。
さっそくダウンロードして使ってみました。解答した中にある「webins.exe」が本体です。起動してみると「チェック対象」のURLにデフォルトで「http://jp.fujitsu.com/webaccessibility/」が指定してありました(笑)。ということでそのままチェックしてみましょう。
まぁ結果は分かっていたのですが、やはり問題はなしと出ました。富士通さん、本当に問題はありませんか?わたしにはチェックする項目自体が問題だらけのような気がするのですけどね。
本当はもっと書きたいことはあるのですが、これ以上書くと暴言になりそうなのでやめておきます。最後に、この文書の始めのほうでWAIのガイドラインから項目を絞っただけのようなもの、と書きましたが、間違いでした。なぜ間違いなのかは書きません。皆さんのご想像にお任せします。