Wrong HTML - A-Promptを使う

A-Promptとは

これまではTidyを使用してきましたが、今回はA-Promptを使用してみたいと思います。このA-Promptはアクセシビリティチェック専用のソフトウェアで、WAIのアクセシビリティガイドラインのレベルAからトリプルAまでのチェックに加え、アメリカの「リハビリテーション法 508条」にも対応したチェックができます。英語版とフランス語版しかありませんが、A-Promptのウェブサイトからダウンロードできます。

A-Promptはチェックした結果の表示だけでなく、画面を見ながら対話的にHTML文書の修正ができることが特徴です。これをうまく使用することができれば、かなり修正が楽になりますね。

設定

起動直後のファイルセレクタ下部左側の「Settings」ボタンを押すと設定画面が現れます。タブが4つありますね。左から順に説明していきます。

Conformance Level

チェックしたいレベルを決めます。上からWAIのガイドラインの各レベルと508条が選択できます。トリプルA以外を選択した場合は「Advanced」ボタンが使用可能になります。このボタンを押して現れる画面では、選択したレベル以外のレベルの項目をオプションでチェックできるようになっていますので、気になる項目があるならONにしましょう。今回はレベルトリプルAですので、設定はしません。

下にある「A-Prompt Icon」ですが、これはチェックした結果、問題がなかった(もしくは修正が完了した)場合に、そのことを示すアイコンを自動で挿入するかどうかの設定です。エディットボックスにアイコンの場所を指定してください。

Automatic Repairs

A-Promptはいくつかの項目を自動的に修正してくれます。一覧の中の項目をONにすることで有効となります。これをONにしてもエラーは表示されますので、どこを修正されたかはわかるようになっています。

Saving Files

修正が完了した時など、その結果を保存してくれるのですが、その保存のしかたを設定します。上から「オリジナルファイルを削除して、修正済みファイルを同名で保存」、「指定した拡張子でオリジナルファイルを保存(修正ファイルがオリジナルファイルの名前で保存されます)」、「指定した拡張子で修正ファイルを保存(オリジナルのファイルには変更は加えません)」、最後は、修正されたファイルの名前をユーザーに選択させます。

「指定した拡張子で修正ファイルを保存」が一番無難だと思います。

d-link

「d-link」とは、複雑なイメージの説明は「longdesc」属性で示したファイルに書いておくものですが、今のところは「longdesc」属性をサポートしたブラウザがないので、イメージの横などにリンクテキストとして「d」と書いたリンクをはって、その目標に説明のファイルを指定するリンクのことです。dは「description」のdですね。

そのd-linkの作成についての設定ですが、作成を選択すると、「自動挿入」かそうでないかを選択することになります。

設定は以上です。

チェックする

さて、設定が済んだら、ファイルセレクタからチェックしたいファイルを選んでダブルクリックするか「Repair」ボタンを押すことでチェックが始まり、結果が表示されます。

チェック結果のスクリーンショット

結果画面の左側に「All Problem Group」というツリーがあると思いますが、これが問題があった、あるいは確かめてみたほうがいい項目が大まかに表示されます。このツリーには「Required For Conformance」と「Not Required For Conformance」という項目ができる場合がありますが、前者は「選択したレベルへの適合のために必要」とする項目、後者は「適合のためには必要ないが確認してみる」という感じの項目が子として挙げられます。

修正していく

左のツリーで修正したい項目を選択すると、右のリストになにを修正するべきか表示されるので、選択して「Repair」ボタンを押すかダブルクリックすると修正画面へ移ります。

修正画面のスクリーンショット

では、実際に修正してみます。「Flicker should be avoided」という項目を選択すると、右に「Potential flicker」と出ました。これは優先度1のときにもあった項目ですね。明滅はしないので、修正画面で「This object does NOT flicker」にチェックを入れて「Repair」ボタンを押せば修正は完了です。

修正後のスクリーンショット

このようにしながら各問題点を修正していき、下のプログレスバーが一番右までいけば終了です。

すべての修正完了後のスクリーンショット

英語なので少し使い辛いですが、フリーでこれだけのツールはなかなかないと思うので一度試してみてください。日本語化に関してはその作業にあたって契約金がかかるらしく、個人ではとても払いたくない金額だったのでわたしは断念しました。どこかの企業などがやってくれることを願いましょう。